本学会について
理事長挨拶
1990年、ヒトゲノムプロジェクトが米国を中心にスタートした同じ年、日本のバイオテクノロジーを担う人材を育成するため、当学会の前身である「バイオ技術教育協議会」が発足しました。
設立当初は専門学校を中心に教育体制の整備が進められ、1993年に「日本バイオ技術教育学会」と名称を変更して、中級バイオ技術者認定試験(当時は「バイオ技術第Ⅰ種認定試験」と呼称)を開始しました。1996年には上級バイオ技術者認定試験(当時は「バイオ技術第Ⅱ種認定試験」)、2003年には初級バイオ技術者認定試験を開始し、認定試験制度の全容が形作られました。この年には、特定非営利活動法人の認証を受けています。
1996年は米国で遺伝子組換え作物の商業栽培が開始され、2003年はヒトゲノム配列の完成版が公開された年でもあります。その後、京都大学の山中伸弥教授らがiPS細胞でノーベル医学・生理学賞を受賞し、2020年にはゲノム編集のキーテクノロジーであるCRISPR-Cas9システムの開発に対してノーベル化学賞が授与されました。
このようなバイオテクノロジーの急速な進歩は、パンデミックを起こした新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンの開発をもたらしました。従来のワクチンに比較して非常に短期間のうちに開発され、高い有効性をもって人々の命を救っています。
これまで、遺伝子組換えなどのバイオ技術に関しては賛否両論がありましたが、このmRNAワクチンの圧倒的な効果や世界規模での接種状況は、市民の意識にパラダイムシフトを引き起こす可能性が予想されます。ワクチン一つを取り上げても、バイオテクノロジーに関する正確な情報と理解、そしてその上に立った議論が不可欠となっています。そのため、バイオテクノロジーに関する教育は、生命倫理の側面も含めて、一般市民にとってもますます重要性が高まると考えられます。
当学会は、認定試験事業を中心に、バイオテクノロジーに関する講演会や出前授業、関係団体との共催によるセミナー等の活動を続けてまいりました。2021年6月現在、農学系・生命科学系・医療系・環境系・栄養系の大学・専門学校など55団体が団体正会員として登録されており、初級・中級・上級のバイオ技術者認定証は延べ7万人に交付されました。今後も、バイオ技術に関わる技術者を養成する認定試験事業に加え、他の関係団体とも協力して、一般市民の理解を深めるための活動にも積極的に取り組み、社会的役割を果たして行きたいと考えております。
引き続き皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。
NPO法人 日本バイオ技術教育学会
理事長 安齋 寛
概要・沿革
特定非営利活動法人日本バイオ技術教育学会
(Japan Association of Biotechnology Education; JABE)は、バイオ技術教育の充実、発展並びにバイオ技術教育に関する社会的ニーズに応え得る組織育成を目的とすると共に、バイオテクノロジーに関心を持つ多くの人々との連携と社会的地位の向上を図り、広く社会一般の利益の為に貢献し、特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的として設立されました。
当学会は、上記の目的を達成するため。以下の事業を行います。
(1)バイオ技術教育に関する調査及び研究
(2) バイオ技術教育に関する講演会、セミナー、学術集会等の開催
(3)バイオ技術教育に関する会誌の配布等、普及啓発
(4) バイオ技術者認定試験
(5)バイオテクノロジーに関心のある団体との連携事業
(6)その他当学会の目的を達成するために必要な事業
沿革
1990年 1月 | 全国バイオ技術教育協議会 発足 会長に鈴木隆雄(元東京農業大学学長)就任 |
1991年 2月 | 第1回資格認定模擬試験実施 主催 全国バイオ技術教育協議会 |
1992年 1月 | バイオ技術認定トライアルテスト実施 主催 財団法人バイオインダストリー協会 後援 全国バイオ技術教育協議会 |
1993年 1月 | 日本バイオ技術教育学会設立総会 会長に齋藤日向(東京大学名誉教授)、副会長に安藤忠彦(日本大学教授)と鈴木隆雄就任 全国バイオ技術教育協議会は発展的解消 |
2月 | 第1回バイオ技術第Ⅰ種認定試験実施 |
11月 | 学会誌「バイオテクニシャン」創刊 |
1994年 2月 | 第2回バイオ技術第Ⅰ種認定試験実施 |
1996年 2月 | 第4回バイオ技術第Ⅰ種認定試験実施 第1回バイオ技術第Ⅱ種認定試験実施 以後、毎年2月に第Ⅰ種・第Ⅱ種認定試験を実施 |
1998年 2月 | バイオ技術第Ⅰ種認定試験を中級バイオ技術認定試験に、 バイオ技術第Ⅱ種認定試験を上級バイオ技術認定試験に名称変更 |
2000年 6月 | 日本バイオ技術教育学会年次総会 会長に鈴木隆雄就任 |
2002年 2月 | 初級バイオ技術認定トライアルテスト実施 |
6月 | 日本バイオ技術教育学会年次総会 会長に原田 宏(筑波大学名誉教授)就任 |
2003年 5月 | 特定非営利活動法人の認証を受ける(東京都) |
6月 | 特定非営利活動法人日本バイオ技術教育学会設立総会開催 理事長に原田 宏就任 |
7月 | 第1回初級バイオ技術者認定試験実施 |
10月 | 第2回初級バイオ技術者認定試験実施 以後、毎年7月に初級バイオ技術者認定試験実施 |
2004年 6月 | 特定非営利活動法人日本バイオ技術教育学会年次総会 理事長に小野寺一清(工学院大学教授)就任 |
2010年 2月 | 第18回中級バイオ技術者認定試験実施 第15回上級バイオ技術者認定試験実施 |
12月 | 第19回中級バイオ技術者認定試験実施 第16回上級バイオ技術者認定試験実施 以後、毎年12月に中級上級バイオ技術者認定試験を実施 |
2015年 6月 | 特定非営利活動法人日本バイオ技術教育学会年次総会 理事長に池上正人(東北大学名誉教授)就任 |
2019年 6月 | 特定非営利活動法人日本バイオ技術教育学会年次総会 理事長に安齋 寛(日本大学教授)就任 |
組織図・役員
役員
理事 | |
安齋 寛 (理事長) |
日本大学 生物資源科学部 特任教授 |
袴田 佳宏 (副理事長) |
金沢工業大学 バイオ・化学部 教授 |
大江 宏明 (副理事長) |
専門学校東京テクニカルカレッジ |
飯田 泰広 | 神奈川工科大学 工学部 教授 |
内山 寛 | 日本大学 生物資源科学部 教授 |
大野 光宣 | 東京医薬看護専門学校 |
小室 真保 | 東京バイオテクノロジー専門学校 教務部長 |
斉田 要 | 総合科学研究機構(元・産業技術総合研究所) |
玉腰 雅忠 | 東京薬科大学 生命科学部 准教授 |
永井 慎 | 岐阜医療科学大学 保健科学部 准教授 |
監事 | |
沼上 清彦 | 元・湘央生命科学技術専門学校 副校長 |
学会誌
学会誌「バイオテクノロジスト」2022春号
※クリックすると内容をご覧になれます。
バイオ技術最前線「世界初の犬を対象とした動物用再生医療等製品『ステムキュア®』について」
教育事例①「“やればできる”という経験を大切に ―札幌科学技術専門学校―」
教育事例②「成功体験を積み重ねる ―湘央生命科学技術専門学校―」
トピックス①「上級試験に18歳の高校生が合格」
トピックス②「認定試験成績優秀者の受験対策」
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